2005年に食育基本法が公布された。前文では「食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づける」とし、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てる食育を推進することが求められる、とする。
その食育の範囲は実に広い。本書では全7章、157項目をグラフや資料と共に丁寧に解説する。1章は食の基礎知識と食育ツール、食育の基礎を取り上げ、「食べ物が体をつくる」「栄養素とエネルギー」「朝食の意義」「災害時・パンデミック時等の備え」等々39項目。また2章では食育とサステナビリティ、食育の持つ未来性、3・4章は食育の実践、5章は食育の歴史、6章は食育に欠かせない文化的側面、7章は世界各国の食育を扱う。
執筆陣は総数102名にまで及んだという。巻頭の「刊行にあたって」では、編集顧問で日本食育学会会長の田島眞氏、監修をつとめた中村丁次氏と服部幸應氏が文章を寄せている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年11月20日号掲載