「精神疾患」は若い世代に多く、学校が果たすべき役割は増大している。本書は2022年4月から始まった高等学校科目保健の中の「精神疾患の予防と回復」をはじめ、学校現場におけるメンタルヘルス教育の一助となることを目指した。
精神疾患は誰でもかかる可能性があり、その多くが若年で発症し、早期に適切な治療を受ければ回復してその人らしい人生を送ることも十分可能だ。一方で、精神疾患のある人や精神障害者に対する偏見や差別(スティグマ)が依然としてあり、正しい理解でそれを解消することが、精神疾患に関する教育の主たる目的の一つという。
導入編では、精神疾患とは何か、精神疾患の予防や回復、スティグマへの対応などについて分かりやすく解説。理論編では、うつ病や統合失調症、さまざまな依存症、自傷など思春期に多い心のトラブルを取り上げる。
実践編では小・中・高校で使える指導案、学校現場ですぐに立つ「メンタルヘルスQ&A」、精神疾患当事者や関係者・サポーターからのメッセージも掲載。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年10月16日号掲載