家庭科の学習が「好き」と答えた小学生は5年生で90%、6年生は83%。好きな理由は「調理実習ができる」ことが最も多く、次は「布を使って物作りができる」だった……先ごろ全国小学校家庭科教育研究会がまとめた2022年度「全国調査」でわかった。10月27日神奈川県で開催される「第60回全国小学校家庭科教育研究会全国大会(神奈川大会)」で公表される。
同調査は昨年10~12月、47都道府県と5政令市の小学校5、6年生約4300人ずつを対象に家庭科の学習への関心・意識、家庭生活での実践の実態などを調査したもので、コロナ禍等で実施を延長した2021年度を挟んで2年ぶり。
家庭科が「好き」(「とても」「わりと」の合計)と回答した5年生は90%だったが、6年生ではやや減少して83%。特に「とても」が大幅に18㌽減少している。5・6年生ともに好きな理由で最も多かったのは「調理実習ができる」、次いで「布を使って物作りができる」だった。「実技を伴う体験的な学習が児童の意欲を高めている」と考察している。
一方「好きではない」(「あまり好きではない」を含む)理由で、5・6年生ともに最も多かったのは「製作(布を縫う、ミシンの操作など)が苦手」に集中。「児童のつまずきに自力で解決できるような視聴覚教材や、教え合うなど個別支援が必要」と指摘する。
家庭科が「今の生活に役立っている」(「とても」「わりと」の合計)と考える5年生は90%、6年生は88%。「将来(これから)の生活に役立つ」は5年生96%、6年生95%。5・6年生共に「今の生活」に9割近くが「役立つ」と考え、それ以上に「将来の生活」に役立つと考えている。特に「とても役立つ」は5年生が「今の生活」では47%だったが「将来の生活」では71%、6年生は42%から66%と大幅に増えていることが注目される。
家庭科を学習して「できるようになった」(「よくできる」「わりとできる」合計)ことを5、6年生同じ設問したところ、17項目ある中で「できるようになった」が8割以上だったのは5年生6項目、6年生8項目で明らかに習得率が向上したことを示している。また「できるようになった」ことと「家庭での実践」は相関し、「できるようになった」という自信が意欲になり家庭での実践につながったと分析する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年10月16日号掲載