頭痛やめまい、怠さ、朝の起きにくさなどの症状がある起立性調節障害(OD)は、思春期に多い自律神経の不調が原因で起こるからだの病気だ。中学生の約10%が発症すると言われている。
朝起きられず昼や夕方から元気になる傾向があるため、家族や周りの人に「怠けている」「やる気がない」と誤解されやすく、不登校の主な原因にもなっているという。薬を飲むだけでは治すのが難しく、食事・運動・睡眠などの生活習慣の改善と、親や学校など周囲の理解やサポートが重要だ。
小児科医で長年起立性調節障害の診療を行ってきた著者が、ODの仕組みや直すために親ができることなどについて解説する。食事・運動・睡眠などで気を付けることや家での過ごし方、学校との関わり方のポイント、症状が改善した時に気をつける点など、具体的に説明している。
「起きたくないのか、起きられないのかがわからない」「勉強の遅れが不安」「ODと診断された後はどうなるのか」など、親はさまざまな悩みを抱えている。そんな一つひとつに応える1冊。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年9月18日号掲載