ミミックとは、まねをすること。生き物の優れたところやしくみから、テクノロジーや製品を発明したミミックメーカー10人を紹介する。仲津英治氏は、カワセミが矢のように水に飛び込む様子を見て「なぜ、飛び込んだときに水しぶきが上がらないのか?」と不思議に思った。くちばしのとがった形は、空気や水にぶつかる衝撃を小さくするのだ。この形は新幹線の先頭車両に使われ、より静かに、より速く走ることを実現。使用電力も減少した。
生物学者フランク・フィッシュは、ザトウクジラの胸びれの形が波打っているために、水がスムーズに胸びれの上を流れると発見。このしくみを風力発電の羽根に活用した。デコボコのある羽根は、なめらかなものより騒音が少なく、発電効率もよくなるという。
ミミックメーカーたちは建築家、植物学者、化学エンジニアなど多分野で、自然に疑問を投げかけ、観察し、素晴らしいアイデアを集めている。米国科学振興協会による2022年「AAAS/SubaruベストSTEM絵本賞」受賞作。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年9月18日号掲載