戦争の映像がテレビで流れる機会が増えた。どう戦争のことを子供へ伝えたらよいだろうか。「『平和』ってどんなこと?」「ほんとうにあった戦争の話」「戦争が起こると……」「戦いが終わっても」などテーマ別に絵本200冊余りを紹介。
フランスの絵本『父さんはどうしてヒトラーに投票したの?』(解放出版社)では、父親が選んだヒトラーが当選し、次第に人心が分断されていく。差別、苦しみのほか、選挙での「選ぶ責任」を突きつけられる。
イギリスの絵本『せかいで いちばん つよい国』(光村教育図書)では、大きな国が多くの国を征服。最後に着いた小さな国は軍隊がなく、戦争どころか、客として迎えられた。しかしやがて、小さな国の遊び、服、歌などの文化が、大きな国に影響を与えていく。
著者は40年以上「家庭文庫(個人が自宅を開放し、所有の児童図書を貸すこと)」を主催。本書は戦争で大切なものを失うことだけでなく、平和や希望に関しても親子で考えられるブックガイドとして、また学校、図書館、書店で活用できる。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年7月17日号掲載