身近なペットボトルのリサイクルを通じて資源の循環を考えよう――茨城県・鹿嶋市立鹿野中学校(山田真奈美校長)で1月18日、「ペットボトルがつくる未来」をテーマに授業が行われた。鹿嶋市とサントリーが官民連携で、SDGsの推進や使用済みペットボトルの資源循環を推進するための啓発事業だ。
参加したのは同校の1年生約100名。今年度、より良い地域づくりに向けSDGsをテーマにした学習に取り組んでいる。今回の授業はSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」、14「海の豊かさを守ろう」につながる。
まず、プラスチックの便利なところと問題についてグループで話し合った上で、ペットボトルからペットボトルを作り続けることができる「ボトルtoボトル」(水平リサイクル)について学んだ。水平リサイクルは、新たな石油資源は使わずゴミを出さないという利点があり、循環型・持続可能な社会の実現に貢献できるものだ。
ペットボトルの水平リサイクルのポイントは、ラベルを「はずす」、中を「すすぐ」、「つぶす」。回収したくなるようなペットボトルはどんなものかを考えるグループワークに取り組んだ。生徒からは「ラベルをはずしたら、QRコードなどで得するサービスが受けられる」などのアイデアが出された。
授業後の生徒からは「ペットボトル以外のものにリサイクルされると、2度とペットボトルに戻れないと初めて知った。協力して循環させることが大事だと思う」、「今までも分別していたが、すすぐ・つぶすことを徹底したい」という声があった。山田校長は「今年度はじめに“気づく力”“伝える力”“向き合う力”を掲げた。今回の授業を通して、自分事化して向き合い、鹿嶋市の未来のために活かしていきましょう」と語った。
サントリーグループでは、ペットボトルの水平リサイクルに関する啓発授業のプログラムを作成している。同グループの専任講師が授業を行い、資源の大切さ、ペットボトルの水平リサイクルの仕組み、リサイクルの際に一人ひとりが気をつけることなどについて、講義や映像、クイズ、話し合い、ワークシートなどを活用する内容。2022年から本格的に開始した。
なお、鹿嶋市、サントリーホールディングス㈱、サントリー食品インターナショナル㈱の3者は、2021年5月に『持続可能な資源循環型社会の形成に向けた「ボトルtoボトル」水平リサイクルに関する協定書』」を締結している。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年2月20日号掲載