夜明け、鳥たちのコーラスで目覚めた小さなレイチェル。太陽が高く登り、虫や動物、カエルも生き生きと動き出し、生き物たちによる音楽であたりが満たされる。
春から夏、秋、冬と、豊かな自然と、温かい家庭で過ごすレイチェルは、1年の間に見たり感じたりことを絵やお話に書き、動物がでてくる本を読み、すくすくと成長していく。やがて大学に進学し、海洋生物学を学ぶ決心をする。“作家になる”夢は諦めて――。
世界的ベストセラー『沈黙の春』を書き、その後の環境保護運動に大きな影響を与えた生物学者・作家のレイチェル・カーソンの人生を、美しい絵本で描く。海洋生物学者となったレイチェルはその後、海の本を書き、有名な作家になる。かつて描いた“作家”の夢が叶った、と嬉しくなる読者もいるだろう。
その後、自然の異変に気付き、調査を重ね『沈黙の春』を執筆。人々に「うつくしい地球はかけがえのないもの」と今も伝えている。巻末ではレイチェルの生い立ちやその後の社会の動きなども解説している。
教育家庭新聞 新春特別号 2023年1月1日号掲載