千葉県立市川工業高等学校インテリア科の3年生たちが起業にチャレンジ。新学期の春から取り組み、アイデアを出し、モノを作り、秋に開催される「産業フェス」に参加し販売するというゴールに向かう、半年間の取組だ。生徒と、著者のインテリア科の金子教諭、弁理士である亀山氏、地元企業が参加した。
取組を通じて生徒たちに身につけて欲しいのは「デザイン思考」。モノ作りや問題解決のためのこの思考方法では、5つのステップ、共感(Empathize)→問題定義(Define)→創造(Ideate)→試作(Prototype)→検証(Test)を積み重ねる。「PDCA」との大きな違いは「共感」がある点だ。
2017~19年の3度の取組を紹介。ある年は椅子を作り、またある年は太鼓を作って販売する。生徒の自主性や創造力を伸ばしつつも、カリキュラムや時間の制限の壁もある。毎年生徒と大人の間には何かの“溝”が生まれるが、解決の鍵となったのはやはり「共感」。問題解決のために、相手の立場に立つことがいかに大切か。生徒も大人も学んでいく。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年11月21日号掲載