中学校から学ぶ元素記号。118ある元素それぞれの名前の由来を知れば、単なるアルファベット記号ではなく、決して無味乾燥でもない、その面白さに気付くはずだ。本書では元素名の語源や由来、名前にまつわるエピソードを紹介する。
元素の命名にはルールがある。元素名を最終的に決定する国際組織「国際純正・応用化学連合(IUPAC、1919年創設)」によって、新元素の名前に付けることができるものは次の5つの分類に決められている。①神話の概念や人物(天体を含む)、②鉱物や類似の物質、③場所や地理的領域、④元素の性質、⑤科学者。ただし古代・中世から知られている、金(Au)、銀(Ag)、等は、誰が命名したのか、名前の由来すらはっきりしないものもある。
古くから知られていた元素と5つの分類を、6つの章として解説。元素名の文化的・歴史的な背景や、由来となった人物がどのような科学者だったのか等のエピソードの数々は、読者を科学と言葉の奥深さへと導いてくれる。手にとりやすいイラストにも注目。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年11月21日号掲載