第15回高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」(主催:公財・高橋松之助記念顕彰財団)の表彰式が10月24日に都内で行われた。
「朝の読書大賞」受賞校は、嬉野市立久間小学校(佐賀県嬉野市)、高崎市立第一中学校(群馬県高崎市)、和歌山県立田辺中学校・高等学校(和歌山県田辺市)、優秀校(最終選考)は、茅野市立湖東小学校(長野県茅野市)、相良村立相良中学校(熊本県球磨郡相良村)、(学)伊藤学園 甲斐清和高等学校(山梨県甲府市)。
「文字・活字文化推進大賞」を受賞したのは三郷市教育委員会(埼玉県三郷市)。埼玉県の受賞者は今回が初。
同財団理事の柳楽節雄氏は「応募校は朝の読書だけでなくさまざまな方法で読書推進をしている。受賞校は特に顕著だった」と話す。受賞者の主な取組は次の通り。
■嬉野市立久間小学校…2000年より「朝の読書」を継続。地域・家庭・自治体の取組と連携しながら読書活動を行っている。読み聞かせを積極的に行い、地域の「ぶっくぶっくまま」、PTA母親部、教職員も定期的に実施。また図書委員会の児童も1年生や隣接する保育園の園児に読み聞かせを行っている。「先生方のおすすめの本」「学年おすすめの本30冊」等がある。5年生には「校長先生のバースデーブックプレゼント」として、推薦リストから家族と相談して選んだ本を校長先生のメッセージとともに全員に贈っている。市も予算面で協力をしている。
■高崎市立第一中学校…1998年から継続している「朝の読書」をベースに、さまざまな読書推進活動が継続的に行われ、学校全体の伝統となっている。年度始めには図書館担当教諭が「朝読書する意義と大切さ」を提唱し、職員内での共有理解を図っている。図書委員による「ブックトーク」は10年間継続。国語の授業で生徒全員が参加する「ビブリオバトル」が8年目を迎え、決勝戦は文化祭での一大イベントとして定着。また「卒業生が残すイチオシ本POP」も10年間続継続。
■和歌山県立田辺中学校・高等学校…2011年より朝の読書を継続。高等学校のスクールミッション具体目標に「読書をすすめ、ひろく深い教養を身につけさせること」を掲げている。教職員・学校図書館・中高の図書委員会、高校図書部など、学校全体で読書推進活動に取り組んでいる。高等学校では各教科の教員から推薦本を紹介する「推薦図書30選」による読書案内や、秋の読書週間には「図書館講座」「ワークショップ」など多彩な活動を展開。和歌山県立図書館等の司書を講師に招き、絵本のよみかたりの技術等を学ぶ講座の開催など、地域交流も活発だ。
三郷市は2015年に「日本一の読書のまち三郷推進計画」を策定。2021年には第2次計画を策定、「ふれあいトライアングル」事業を展開。市内の保育園や高齢者施設を回り、図書館への来館が難しい市民に、市所蔵の図書を届ける「ふれあいブックワゴン」、小学6年生を対象にした「子ども司書養成講座」をベースにした「ふれあいブックサポーター事業」など、3つの取組が行われている。他にも、全国各地、またホストタウンのギリシャからの参加もある「全国読書ゆうびんコンクール」など、すべての市民を対象とする読書活動を行っている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年11月21日号掲載