使用後のスチール缶の散乱防止や再資源化を目的に、スチール缶リサイクル協会(廣瀬孝理事長)は10月13日、2021年度のスチール缶のリサイクル率やリデュース率を報告。2021年度のリサイクル率は93・1%を達成。2025年を目標年度とする自主行動計画2025の目標数値「スチール缶のリサイクル率93%以上維持」に到達した。90%以上の達成は2011年から11年連続となる。
2021年度のスチール缶リデュース(軽量化)率は2004年度比で1缶あたり9・10%(3・23g/缶)を実現。前年度の8・61%から約0・5%の軽量化を達成するなど大幅に進捗。自主行動計画2025では当初8%の軽量化が目標だったが、2020年度の結果から見直しを図り、1缶あたり9%の軽量化を目指したところ初年度で目標を達成した。
スチール缶リサイクル協会では社会貢献の一環として、民間団体、学校への支援・表彰を行ってきた。2021年度はスチール缶の集団回収を実施している地域の町内会や子ども会、PTAなど61団体に対して支援と表彰を行った。
また、資源の分別回収を実践的環境教育の一環として取り入れ、優れた環境教育を実施(計画を含む)している小中学校への支援・表彰として、2021年度は小中学校30校に対して支援・表彰を実施した。2022年度も表彰を継続して実施するため10月末まで応募を受け付けた。
スチール缶の散乱防止・美化推進啓発活動では、地域と連携して清掃活動とポイ捨て防止を啓発。1973年の協会設立以来49年間で363か所・510回に及ぶ清掃活動と啓発活動を継続して実施。2021年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、活動は神奈川県藤沢市での1回のみだったが、2022年度は4月に神奈川県三浦市、7月に愛媛県西条市で実施。11月には三重県津市での活動を予定している。
鉄鋼メーカーなどによる、環境に配慮したものづくりや環境活動を理解してもらうため、2009年度から本紙の協力により「製鉄所見学会」を実施。2020年度と2021年度はコロナ禍のため製鉄所見学は実施できなかったが、2021年度は使用済み容器包装の中間処理施設である「あらかわリサイクルセンター」の見学会を実施。2022年度は三洋商事(株)東京本社とJFEスチール(株)東日本製鉄所(千葉地区)の協力により、小・中・高校・特別支援学校の教員を対象とした見学会を感染防止に十分留意して実施した。
スチール缶リサイクル協会の廣瀬孝理事長は「当協会は消費者、自治体、事業者との連携協力のもと、容器包装リサイクル法の枠組みを築くとともに持続可能な循環型社会の構築に取り組んできた。近年は地域での清掃活動や環境美化活動などの自主的な取組が活発に行われている。当協会は更なる環境美化推進とスチール缶の資源循環の推進を通じて持続可能な循環型社会の構築に貢献する」と語った。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年11月21日号掲載