夕焼けはなぜ赤い?台風はどこで生まれる?富士山はどうしてあんな形?–素朴な疑問に科学的にかつ子供たちに分かりやすく答える絵本シリーズ『新装版 かこさとしの地球のかがくえほん』が農山漁村文化協会(農文協)から刊行された。2005年刊行の『かこさとしの 自然のしくみ 地球のちから えほん』から、小学校の理科との関係が深い6巻を選び、子供たちが手に取りやすく、より読みやすく判型や文字組を変更、内容案内を付けるなどした新装版。
近年、地震、洪水、噴火などの自然災害が各地で頻発しており、子供にとっても自然災害は身近なことになっている。本シリーズは災害のもとになる自然現象の仕組みを分かりやすく教えてくれる。すべてひらがななので、低学年から読むことができ、かこ氏の温かみのある絵でかつ本格的な内容を扱っている。
同社編集部によると「なんといっても、かこ先生のオリジナル図解がわかりやすい。空気の渦でできていることがわかる台風の断面図、四季のしくみがわかる地球の自転と公転の図など、子供はもちろん、大人も納得」。
『じめんがふるえる だいちがゆれる』のあとがきでは、地震について「地震を調べ、研究することは、自分たちの住むところ、地球をよく知ることですから、日本の自然の特長としてとらえ、長所となるよう小さい読者を導いていただきたいと願って、この巻をつくりました」と書かれている。「地震を『特長』としているところに、かこ先生の思いがある」(編集部)。地震が「震災」になるのは、火災や津波による災害が起こってしまったからであり、人間の行動によっては防げるものでもある。大雪も台風も地震も噴火も、自然現象のひとつ。地球をよく知ることで、自然を正しく恐れつつ、その美しさや面白さにも気づけるようになる。
シリーズは『あめ、ゆき、あられ、くものいろいろ 雨と雲のはなし』『ささやくかぜ うずまくかぜ 風のはなし』『よあけ ゆうやけ にじやオーロラ 太陽のはなし』『じめんがふるえる だいちがゆれる 地震のはなし』『ひをふくやま マグマのばくはつ 火山のはなし』『あさよる、なつふゆ ちきゅうはまわる 地球のはなし』。オールカラー、A4変型判、各24頁・2750円、6巻セット1万6500円(すべて税込)。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年10月17日号掲載