『発達障害のある女の子・女性の支援–「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート』(2019年)の続編。「カモフラージュ」に焦点を当てる。心理学・文化人類学・当事者の声など、さまざまな視点から、発達障害のある女の子・女性たちの理解と支援の在り方を考察する。
自分の弱点を見えないように隠すだけでなく、主体的に周りとの関係性を築こうとすればするほど、<内側の世界の私>と<外側の世界の私>の狭間で葛藤が強くなっていく。女の子・女性のカモフラージュの特徴は①男性よりも、周囲との関係性を希求する傾向が高い ②「受動型」の場合には、特に「普通のような」振りを維持する傾向がある ③適切な診断や支援が十分でないために「普通のような」振りから「自閉症の肯定的側面」へと切り替えるスキルの獲得が難しい ④その結果「自己評価」の低下から不安や抑うつなどの内在化障害を併発しやすい等。発達障害のある女の子、女性の支援者や教員、保護者、当事者に手に取って欲しい。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年10月17日号掲載