全国的な夏場の電力不足への懸念から、政府は企業や家庭に9月まで、経済活動や生活に影響ない範囲での節電を呼び掛けた。引き続いて冬の電力供給不足も危惧されているが、若者の半数以上がエネルギー不足に関心を持ち、一次エネルギー自給率の低さを約7割が「知っていた」た回答。エネルギー問題は若者にとっても関心事であることが日本財団の「18歳意識調査」で分かった。
日本財団は今年7末~8月初旬にかけ、全国17~19歳男女1000人を対象にインターネットで、「エネルギー」について意識調査を実施。さきごろ結果を公表した。
電力不足への関心は、全体の5割以上が「関心がある」と回答。性別では、男性が「非常に関心がある」と回答した人の割合が女性より12・5ポイント多かった。地域別では、東京圏が全体平均よりも「関心がある」と回答した人の割合が4・2ポイント多かった。
電力の安定供給が難しくなった主な背景として、「聞いたことがあり、内容も理解している」と回答した人が多かったのは、全体では「地球温暖化に伴う平均気温の上昇による夏季のエアコン等の使用の増加」、「東日本大震災の影響による原子力発電所の休止の増加」、「コロナ禍においてライフスタイルが変化する中での電力需要の増加」の順で、男女共に同じ傾向だった。
今夏の節電要請による電力不足への関心度合の変化について、全体では、約4割が「関心が高まった」と回答。一方で約1割が「節電要請があったことを知らなかった」と回答。男女共に同じ傾向だったが、地域別では東京圏では全体平均よりも4・9ポイント高い44・1%が「関心が高まった」という回答で、より身近に感じたようだ。
節電要請を知ってからの行動変化は、男女共「これまで以上に節電に取り組んだ」と回答した人が最多。その次は男女差がみられ、男性は「節電方法を調べるなど、情報収集をした」、女性は「周囲に節電を呼び掛けた」と回答した人が多かった。具体的には男女共に、節電方法として「エアコンの利用方法を見直し」(71・2%)がもっとも多く、次に「照明の利用方法を見直し」(64・0%)が多かった。
あらかじめ定められた区域割りに沿って電気の使用を計画的に停止する計画停電について、全体では約3割が「聞いたことがあり、内容も理解している」と回答。さらに4割以上が計画停電を「行っても良い」と回答。「行わない方がよい」と回答した人の割合は男性で25・6%、女性が17・7%で差があった。
エネルギー構成における原子力発電の比率を今よりも高めることに全体では約6割が「賛成」。「原子力発電は完全にやめるべき」は15・1%。性別では、「賛成」と回答した男性が女性より11・7ポイント多かった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年10月17日号掲載