外国籍あるいは海外にルーツを持つ子供たちを、社会を形成する次世代としてどのように教育するか。学校・地域の学びを中心に、背景理論や具体的事例を紹介する。
文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和3年度・速報)」によると、日本語指導が必要な児童生徒は、全国の小中高等学校等に58353人。10年で約1・7倍に増加した。
課題は、日常のコミュニケーションができないことのほか、「学校行事等が理解できず、保護者にも伝わらない」「周囲と話をせず、孤立している」「通訳をするために親に付き添って病院に行き、学校を休む」など。家庭環境や移住時期等も影響している。
本書では、学校での国語科学習支援やオンライン学習支援、地域での就学前プレスクールやノンフォーマル教育コミュニティを解説。喫緊の課題への取組を検討できる。
ことばの力は思考力につながり、思考が発達すれば子供の語彙も成長する。このポジティブな循環を生み出す学習支援実現を目指す。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年9月19日号掲載