電力・エネルギー分野における「セキュリティ」とは、変化する社会情勢に左右されることなく、エネルギーを安定的に、環境に優しく、かつ適切な価格で供給できるように確保すること。本書はエネルギーセキュリティの考え方等の基礎をはじめ、エネルギー政策の変遷を、温暖化対策を軸にひも解き、また新技術の動向などについても体系立てて説明。2050年ゼロエミッションに向けたエネルギーセキュリティについて、わかりやすく解説する。
日本の場合、自然災害が多い、国際連系線がない、地下資源に恵まれない、1次エネルギー自給率が低い等、固有の現実がある。温暖化対策の根底に流れる本質はエネルギー問題であり、「経済戦争と同義」。国際政治など様々な要素が複雑に絡み合う中で、広い視野が求められている。
昨年閣議決定した「第6次エネルギー基本計画」では「エネルギー教育」にも触れており、「じぶんごと」としてエネルギー問題を身近に感じることが大切だ。
巻末には、有馬純氏と著者による対談を収録。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年5月2日号掲載