2020年の終わりに刊行された前書『デジタル・シティズンシップ』では、デジタル・シティズンシップの概念や目標を中心に解説した。本書では1人1台端末が実施される中、より実態や社会的な文脈に踏み込んだ。デジタル・シティズンシップを育むための具体的な授業例と実践のポイントを紹介する。
実践事例は、米国で普及している教育教材を参考に、小学校1年生から高校までの日本の学校で実践する教材を作成。実際に授業を行い検証した。授業の進行案や児童生徒用のワークシート、保護者向けの手紙も掲載。実践の際の特徴は、①定義を示す…学ぶ用語(プライバシー、ネットいじめ等)を定義する、②立ち止まるための手段を学ぶ…すぐ返信や反論するのではなく、立ち止まる・考える・相談するの3つの手順を踏む方法を学ぶ、③思考ルーチンをベースに展開する、④家族と学びを共有する。
デジタル・シティズンシップ教育を学校教育、家庭にどうつなぐのか、生徒指導の観点ではどう捉えるのか。「著作権」についても考える。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年5月2日号掲載