天才数学者のアラン・チューリング氏が1950年に発表した論文は、人口知能の出発点となった。チューリングテストという思考実験では「壁の向こうで受け答えをしているのは、AIなのか、人なのか」について、質問に対する回答を見て、AIか人かを判断する。本書は大学生60人に行った実験データに基づき、AIの特徴と人の特徴の違いを明らかにした。実験の結果から見えてきたのは「いかに機械は機械らしく、人は人らしいのか」ということだった。
プログラムやニューラルネットワークの仕組み、教育の観点から教材への応用についての概要と共に、実験から分かったことを解説。17の質問と回答一つひとつから、具体的な人とAIの違いを読み解く。
本書後半では「AI時代の学習方法」を考える。AIと人間の違いを知ることで、子供たちの探究・共感・関連付けといったさまざまな能力をどのように伸ばしていくべきか、必要な教育とは何かを論じる。各章に合計26の問題を掲載。教職を目指す学生向けのテキストにも。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年5月2日号掲載