文部科学省ならびに国立青少年教育振興機構は、4月23日の「子ども読書の日」ならびに4月23日から5月12日までの「こどもの読書週間」を記念し、子供の読書活動について関心と理解を深めるとともに、子供が積極的に読書活動を行う意欲を高めることを目的に「令和4年度 子どもの読書活動推進フォーラム」を、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで4月23日に開催した。
■子供の読書活動に対して優れた活動を行っている学校や図書館を表彰
文部科学省では2002年度から子供の読書活動の推進に資するため、国民の間に広く子供の読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子供が積極的に読書活動を行う意欲を高める活動について優れた実践を行っている学校、図書館、団体および個人を表彰する。
■子どもの読書活動推進フォーラムの会場で表彰
「子どもの読書活動推進フォーラム」において表彰式が行われ、子どもの読書活動優秀実践校128校(小学校66校、中学校27校、高等学校25校、特別支援学校6校、中等教育学校4校)、子どもの読書活動優秀実践図書館46館、子どもの読書活動優秀実践団体46団体(団体:42団体、個人:4人)が表彰された。
■表彰者が取組事例を発表
フォーラムでは表彰者を代表して、郡山市立湖南小中学校(福島県)の古川里美氏、西ノ島町コミュニティ図書館(島根県)の真野理佳氏、大洋中学校区子ども読書活動推進協議会の久保田幸子氏から取組事例が発表され、「子どもの読書活動を推進するためには」をテーマに対談が行われた。コーディネーターは友愛福祉会理事長の馬場耕一郎氏。
■コロナ禍でも万全の対策で読書活動を推進
郡山市立湖南小中学校では学校図書館で季節に合わせた掲示を行っており、いかだ社「森の工作図鑑」(岩藤しおい・著)を参考に近くの山で採った木の実を使った工作や、汐文社「生き物たちの冬ごし図鑑」(星輝行・写真・文)を参考にカマキリの卵など冬越しの虫たちを見つけて掲示している。また、コロナ禍においても図書館のカウンター前にはアクリル板を設置し、入室する前には手指を消毒するなど、しっかりとした対策が取られている。
■家庭・学校・地域が連携して進んで本を手に取る環境を整える
島根県の離島に位置する西ノ島町コミュニティ図書館では、西ノ島町子ども読書推進計画として、「親子読書(家読)の推進」「読書活動の機会の充実」「地域・学校との連携」の3本柱で、子供たちが読書の楽しさや素晴らしさに出合うきっかけを作り、進んで本を手に取ることができる環境を、家庭・学校・地域で整えている。地域・学校との連携では保育園への「出張おはなしのへや」、小学生や中学生の学習物の展示などを行っている。
■朝の読書タイムで読み語りボランティアを実施
大洋中学校区子ども読書活動推進協議会では、現在19人のボランティアが在籍している。港小学校で月1回、朝の読書タイムを利用し、各クラスで「読み語りボランティア」を行うなどして子供の読書への関心を深めている。また、卒業生に送るリストや機関誌「楽しい読書」、読みボラ通信など各種発行物を通して読書の楽しみを広く発信している。
■子供時代の読書の思い出などが語られる
さらに、フォーラムでは吉本興業の又吉直樹氏と友愛福祉会理事長の馬場耕一郎氏をパネリストに迎え、「子ども時代の読書活動の重要性」をテーマに話し合われた。コーディネーターは日本テレビアナウンサーの杉上佐智枝氏。パネリストの又吉氏と馬場氏が、ともに大阪府出身であることから、幼少時の大阪での思い出から子供の時の読書体験などが語られた。
【詳細は教育家庭新聞6月20日号掲載予定】
令和4年度子供の読書活動優秀実践校・図書館・団体(個人)文部科学大臣表彰被表彰者一覧(PDF)