ペットボトルの分別回収を楽しくすれば、リサイクルはもっと充実し、資源の循環に貢献できる――早稲田大学本庄高等学院(埼玉県)では3月24日、「アイデアリサイクルボックス完成披露イベント」が開催。同校の有志生徒がリサイクルボックスをデザイン・制作。「3秒ルール」のゲーム性を持たせたリサイクルボックスが完成実機として披露された。
プロジェクトのメンバーは、留学生を含む1~3年生(実施時)計8名。昨年10月、サントリーによる出張授業のワークショップで取組が始まった。
サントリーは、資源の循環を目的に、ペットボトルからペットボトルへの“水平リサイクル”を推進している。自販機横のリサイクルボックスでは、異物混入率が高く、飲み残しのあるボトルによって、水平リサイクルの障壁となっている点が課題だ。そこで出張授業では具体的なアクションとして、生徒に「分別が楽しくなるアイデア」を出すことを提案。生徒たちからのアイデア約10件の中から選ばれたのが、「3秒チャレンジリサイクルボックス」だ。
ボックスにはキャップの投入口とボトル胴体の投入口、加えて秒数が表示される電光掲示板が設置されている。キャップを投入するとカウントがスタート。自身の感覚で3秒を測る。3・00秒ジャストにボトル胴体部分を上手く投入口に通過させるとお祝いの音楽が流れ、ずれると「おしい!」の声が流れる。ゲームに参加することで、キャップとボトルを分別することにつながる。制作には早稲田大学理工学センター技術部 技術職員[技術支援チーム]も協力した。アイデアを発案した3年生(当時)の長谷川さんは「(いずれ)3秒ルールがなくても、資源を次に生かしていく行動が当たり前になっていけばいい」と語る。
早稲田大学とサントリー食品インターナショナルが2021年5月に締結した連携協定に基づき、循環資源に関わる出張授業が行われており、企業のサステナビリティへの取組、ペットボトルのリサイクルや気候変動等について理解を深められる内容となっている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年4月18日号掲載