学校教育では、SDGs教育が始まったばかり。探究的な授業、主体的・対話的で深い学び、IT機器の活用なども取り入れ、市民社会と結びつけることも大切だ。本書では4時間でコンパクトに学べるSDGs授業を15例紹介。中・高等学校での授業づくりに役立つアイデアが示される。
SDGsのゴール13と関連した「気候変動へのアプローチ」は、①気候変動の実情を知る、②気候変動対策に取り組む団体を知る、③団体の活動に参加する方法を考える、④団体と行動を起こすという授業計画。温室効果ガス排出量の削減が急務であるとともに、排出抑制の「緩和策」と、社会システムを再構築する「適応策」の両方が必要と確認し、生徒は気候変動対策に積極的に取り組む企業・自治体・NGOを調べて参加する。
現実のSDGsは、その課題が具体化される過程で企業や財界の思惑によって「多くの弱点や曖昧さが組み込まれてしまった」。批判の視点を持って世界が直面する危機に立ち向かうべきだ。SDGs教育の背景や理論的な考察も参考になる。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年4月18日号掲載