双子の姉あかねと、弟のかえで。あかねは運動神経が抜群で、特にサッカーが大好きで活発だ。一方、かえでは可愛いものやお絵描きが好きなひかえめ男子。
10歳の誕生日プレゼントに、2人は色違いのドレスを両親にリクエストした。可愛らしい服が好きな弟のための、あかねのアイデアだ。しかし誕生日会の当日、両親はあかねにドレスを、かえでにはスーツを着せるのだった。
女の子は、女の子らしく、男の子は男の子らしくして欲しい…そんな両親の強い思いに深く傷つく2人。父親の仕事の都合で一足先に子供たちだけで祖母の家に身を寄せ転校するのを機に、「あかねくん」「かえでちゃん」として新生活を迎える決意をする。もちろん、男女の“とりかえ”は2人だけの秘密で――。
ジェンダーの問題だけでなく、「自分らしく生きること」とはどういうことか。2人を取り巻く友達や大人たちの姿にも注目だ。著者は21歳の現役大学生。思春期に向かいつつある子供たちの気持ちに寄り添い明るく描く。続編も刊行予定。
教育家庭新聞 新春特別号 2022年1月1日号掲載