『美しい日本語101』等の著者でもある辞典編集者が監修。伝え残したい日本語を、美しいビジュアルでまとめた。空に関わる言葉と、その言葉の写真や絵画、文学作品などを100作品以上紹介している。
冒頭の言葉は「あけぼの」。美しい曙の写真と言葉の意味、そして枕草子の「春はあけぼの」の一節が紹介されている。
「春雨」は「春にしとしとふる、細かい雨のこと」。足立美術館所蔵の河合玉堂『春雨』の絵画が大きく示される。与謝蕪村「春雨や小磯の小貝ぬるるほど」の俳句と意味が添えられる。
また「雷鳴」では俵屋宗達の『風神雷神図屏風』といったように、ひとつの言葉に、様々な芸術が紐づけられる。
「初〇〇」という言葉を集めて、「初雷」(立春をすぎたあとの初めての雷)や、「初空」(元日の空)など、新たな切り口で多くの言葉を掲載。
言葉を獲得すると、表現する力が育つ。自然を慈しむ心を養いながら言葉のイメージを広げ、感性を磨くことができる。『そら』『いろ』『かず』の全3作。
教育家庭新聞 新春特別号 2022年1月1日号掲載