阿部大地氏、岩井路加氏はともに大学1年生。スマートフォンやSNSが身近に育った世代の2人は、インターネット上の情報から、それぞれ独自の方法で、本の情報を受け取っているという。
阿部氏は普段はYouTubeを見ており、他のSNSはあまり見ない。ランダムに出てくる動画を見たり、読んだことのある本の紹介、関心のなかった本の紹介動画も見るという。
よく見るのは「中田敦彦のYouTube大学」https://www.youtube.com/c/NKTofficial/videos、「サムの本解説ch」https://www.youtube.com/channel/UCcdd3kS52T9Zyo-SWfj86bAなど。
岩井氏はTwitterやInstagram、読書メーターを利用している。Twitterは好きな作家アカウントなどで紹介される、本の中の「ひとこと」から本と出会い、興味を持った本を手にとるという。「本の猪」https://twitter.com/honnoinosisi555。など。また文学作品をモチーフにした楽曲を提供するバンドのYouTubeから、文学作品に興味を持つこともあるという。バンド「ヨルシカ」は「月に吠える」「老人と海」などの曲がある。
ふたりとも実際に読むのは「紙」の本が多いものの、岩井氏は時折Kindleでも購入する。「SNSで読みたい本を見つけた時に、すぐに購入して読めるのが電子図書の魅力」。友人の中には電子図書しか買わない人もいて、その理由は「家に本を置くスペースがないため」ということだ。
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「第53回日本子どもの本研究会 全国大会」が11月6・7日にオンラインで開催された。基調報告、講演会や講座、各種分科会等が開催された。
分科会の1つ「中高生の読書」では、「スマホ・YouTubeなど、ビジュアルな視聴にうったえるような媒体が生活の一部となっている中高生の読書について、一歩踏み込んで考える」がテーマ。①Y.A.とマンガ(埼玉県立飯能高等学校図書館司書・湯川康宏氏)、②グラフィックノベル・Y.A.のための絵本(三鷹市文庫連絡会代表・須藤倫子氏)、③SNSと読書(大学生・阿部大地氏、岩井路加氏)の3つの発表が行われた。
本項では③を紹介した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年11月22日号掲載