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図書館

「図書館総合展_ONLINE_plus」11月30日まで開催~企業出展やセミナーも

2021年11月22日

図書館関連の国内最大の展示会であり、関係者交流イベントとしても注目される「図書館総合展_ONLINE_plus」(以下、図書館総合展)が開催中だ。昨年に引き続きオンラインで実施されており、出展社のWeb上のブースを訪れ説明を受けることもできる。https://www.libraryfair.jp/

セミナー各種も実施されており11月30日まで参加・視聴可能なものもある。(公社)全国学校図書館協議会、ポプラ社のセミナーの一部を紹介する。

ICTとのベストミックス
全国SLA

(公社)全国学校図書館協議会(以下、全国SLA)では「学校図書館セミナー2021〈資料・情報・ICT活用教育と学校図書館〉」をオンラインで開催中。GIGAスクール構想により11台端末が配備される中、学校図書館活用とICT活用のベストミックスを図ることによって、より学習の幅を広げ、授業形態の可能性が大きく広がることが期待される。セミナーでは小学校と、中高の事例を紹介している。

〈小学校の部〉では、杉並区立桃井第三小学校の大山努主任教諭と、土屋文代学校司書が登壇。2011年から11台タブレットPCを導入するICT推進校として、学校図書館と連携した授業事例や、公立小学校における「学校図書館活用教育」と「ICT活用教育(情報活用教育)」を連携させて指導するための体制づくりなどについて紹介した。

授業のめあてに沿って情報リテラシーのめあてを設定する

〈中学・高校の部〉では、関東学院六浦中学校・高等学校の事例を紹介した。同校では、専任の司書教諭と学校司書、授業担当教員が連携した授業を行っている。

中学校23年の総合的な学習の時間には、オリジナル講座「地球市民講座」を実施している。社会科の教員と、九渡愛美司書教諭がカリキュラム作りと授業の運営を行う。社会科の教員は、講座全体と「地球市民学」の学問の視点から、九渡司書教諭はアカデミックスキル、情報リテラシーの視点から一緒にカリキュラムを考え、福澤香野子学校司書は、カリキュラムに合わせた資料提供や館内展示を行う。教科担当教員と九渡司書教諭は学校図書館館内で打ち合わせすることで、学校司書にも授業のめあてやカリキュラムについて、耳に入るように心がけているという。

他の教科でも、担当教員、司書教諭、学校司書の3者が授業のねらいについて共有するようにしている。九渡司書教諭は「教科担任がその授業で生徒に何を学ばせたいかを把握することで、それに合わせて司書教諭は情報リテラシーのねらいを設定したり、ワークシートや学習成果の表現の方法を提案できる」と話す。また福澤学校司書は「授業のねらいや考え方に合わせた資料を収集することができる」。

「地球市民講座」は中学2年生では学校図書館で紙のみの資料で調べ、3年生は新聞データベースや映像アーカイブスなどのデジタル資料も使用している。

九渡司書教諭は情報リテラシーの育成に重点を置いている。「授業のねらいを達成することが第一。各授業のねらいを把握し、生徒たちが効果的に学ぶことができるよう、情報リテラシーのねらいも設定している。学年やそのクラスの、その時点の生徒の情報リテラシーの課題をふまえて、紙・デジタル情報のバランスを考えるようにしている」。

セミナーでは、11台端末上に、学校図書館として開設した2つのGoogleClassroomついても紹介。

※有料講座。詳細=https://www.j-sla.or.jp/seminar/2021gakutoseminar.html

子供の読書環境を考える
ポプラ社

公共図書館の実際がわかる

ポプラ社は「公共図書館と学校図書館の連携」をテーマに4つのフォーラムを主催している。

111日のオープニングセッションは、「東大Cedep×ポプラ社共同研究プロジェクトより/幼保・公立図書館調査から「こどもの読書環境を育むためにできること」。

川村学園女子大学の菅井洋子教授は、プロジェクトの一環である「子どもの読書環境と公共図書館の役割に関する調査」の成果の一つとして作成された「写真でみる公共図書館・図書室の乳幼児・保護者のためのスペース事例集」について紹介した。事例集は、全国の公共図書館・図書室の、特に乳幼児と保護者のための区画・閲覧スペースの写真を取り上げ、分類・解説している(http://www.cedep.p.u-tokyo.ac.jp/projects_ongoing/poplar/casestudies_spaces/)

福島県石川郡の平田村立ひらたこども園・桑原真希教諭は、同園の2つの読書スペース、3~5歳の「えほんのもり」、0~2歳のスペース「ぽけっと」や、多様な読書活動を紹介。村教育委員会と共に、乳幼児向けのお勧めの本のリストも作成した。また大阪府泉南郡・熊取町立熊取図書館の髙月哉子司書は、文庫連といった地域の団体や、乳幼児サービスといった関連部局との連携で、保育園や幼稚園などへの団体貸し出しや、出前講座等、図書館の取組の幅を広げた事例を紹介した。

8日のメインセッションは「公共図書館と学校図書館の連携~事例で見る「連携」でできること~」。鳥取県立図書館・小林隆志館長、鳥取県南部町立会見小学校・安田美穂子学校司書をはじめ、学校図書館での経験を生かした図書館運営を行っている、長野県松川村図書館館長・棟田聖子館長が登壇している。

フォーラムは他に「100万人にとどけ!『ひゃっかじてんで遊ぼう!』報告会~こどもたちに調べる楽しさを伝える「ポプラディア」×「公共図書館」なぞ解きイベント他報告会~(15)、「出版記念イベント『総合百科事典ポプラディア第三版』が目指したもの」(20)を開催。図書館総合展開催期間中は、アーカイブで見ることもできる。特設サイトhttps://www.poplar.co.jp/pr/2021libraryfair/

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年11月22日号掲載

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