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家庭科「将来役立つ」が96%~全国小学校家庭科教育研究会が調査

2021年9月20日

5年生「好き」が9割
ミシン、ボタンつけは苦手に

家庭科の学習が将来「役立つ」と回答した5年生は97%、6年生96%。家庭生活に「役立っている」は5年生89%、6年生87%。家庭科が「好き」は5年生87%、6年生82%だった……全国小学校家庭科教育研究会(加園正子会長)の「全国調査のまとめ」によると、家庭科の学習で出来るようになったことで最も多かったのは「包丁を使う」だったが、家庭で実践していることは「衣服の調節」や「整理・整頓」が多かった。

調査は全都道府県と5政令市から各5校、56年児童男女10人ずつを抽出しアンケート形式で実施。令和2年度の結果のまとめ。56年生児童の家庭科に関する意識、教員の家庭科の指導実態、家庭科室・教材の整備状況の他、今回新たに新型コロナウイルス感染症や新学習指導要領への対応状況に関する設問が加えられた。

家庭科の学習が「とても好き」「好き」を合わせると5年生は87%6年生は82%。その理由は56年とも「調理の基礎が学べる」、「布を使って物の作り方が学べる」が多かった。「あまり好きではない」「好きではない」と回答した理由で最も多かったのは「ミシンを使うのが苦手」、次いで「服の手入れが苦手(ボタンつけ、洗たくなど)」、「製作するのが苦手」など。

家庭での生活に役立っていると思うかの設問に「とても」「わりと」を合わせた肯定的な回答は589%687%。将来役立つと思うかの設問では、「とても」「わりと」が597%696%で高い数値だった。

家庭科の学習で出来るようになったことの設問では、「よく」「わりと」を合わせ5年は「包丁を使う」が最も多く、「衣服の調節」、「ガスコンロを使う」など。いずれも合計が8割以上にのぼり、ほかに「ゆでる」、「ご飯・みそ汁を作る」、「ミシンを使う」、「清掃」、「整理・整頓」があげられた。

家庭で実践していることで「よく」「わりと」を合わせて多かったことの上位は「衣服の調節」、「整理・整頓」、「清掃」、「音の出し方」で、「包丁を使う」は5番目。出来るようになったことと家庭での実践にギャップがあった。他に「ガスコンロを使う」、「針を使う」、「ゆでる」、「ご飯・みそ汁を作る」、「いためる」、「ボタンつけ」などもギャップがみられ、「ミシンを使う」は特に差があった。また6年もほぼ同様の傾向だった。

指導要領の全て実施は46%

全都道府県と5政令市から各10校ずつ抽出し教員を対象に調査。新学習指導要領による家庭科の授業が「全て実施できた」との回答は46%、「一部次年度に」が16%、「家庭学習で対応」は38%だった。授業形態として「対面授業」は59%で「一部対面・家庭学習」が37%、「ICTを活用」は4%だった。

新学習指導要領に関連した設問で「異なる世代の人々との関りが深められたか」は、「とてもなった」「なった」が40%だった一方、「あまりなっていない」「なっていない」は合計60%。「日本の伝統的な生活の学習は、児童に生活文化の大切さに気付かせることができましたか」は、「とても」「なった」を合わせ93%。持続可能な社会の構築について「家庭生活の中から自分の生活の課題に気付くことになりましたか」は「とても」「なった」が87%、「あまり」13%、「なっていない」は0%だった。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年9月20日号掲載

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