文部科学省は「令和2年度学校図書館の現状に関する調査」の結果を7月29日に公表した。それによると、学校司書の配置は小中学校では増加しているが、高等学校は減少。また新聞の整備は前回調査よりも増加していることが分かった。
調査対象は小・中・高等学校、特別支援学校、義務教育学校および中等教育学校。学校図書館における人的整備、物的整備の状況、学校図書館の活用および読書活動の状況を調査した。※( )内は前回調査の数字。
「Ⅰ 学校図書館における人的整備の状況」について、「司書教諭の発令状況」(全体)は、小学校が69・9%(68・0%)、中学校63・0%(65・0%)、高等学校81・4%(84・5%)。小学校では増加したものの、中・高等学校では減少している。
「学校司書の配置状況」は、全体に占める配置の割合は、小学校68・8%(58・8%)、中学校64・1%(58・0%)、高等学校63・0%(66・6%)。小中学校は増加したが、高等学校では減少している。また中学校の私立学校は、42・0%(70・4%)で大きく減少した。
「Ⅱ 学校図書館における物的整備の状況」について、学校図書館図書標準達成学校数の割合は、小学校71・2%(66・4%)、中学校61・1%(55・3%)。前回調査より増加しているものの、その割合はまだ十分ではない状況だ。新聞の配備状況は小学校56・9%(41・1%)、中学校56・8%(37・7%)、高等学校95・1%(91・0%)で着実に増加している。
なお、今回初めて「多様な蔵書等の整備状況」も調査した。「電子書籍を所蔵している学校の割合」は小学校0・2%、中学校0・3%、高等学校1・4%。ほかに点字図書や録音図書、LLブック、外国語の図書などについて調査している。
「Ⅲ 学校図書館の活用および読書状況」について、授業における学校図書館の活用状況は、国語の授業(小学校94・7%、中学校72・8%、高等学校56・6%)、総合的な学習(探究)の時間(小学校86・7%、中学校65・9%、高等学校35・8%)が多い。
次回調査は2025年度に実施予定。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年8月16日号掲載