発泡スチロール(EPS)は農水産物容器、家電などの緩衝材、建材など私たちの生活のさまざまな場面で活用されている。発泡スチロール協会は7月1日、2020年の使用済み発泡スチロールの有効利用率(リサイクル率)が90・8%だったと発表した(前年は89・5%)。内訳はマテリアル・リサイクル率が52・9%(ケミカル・リサイクル率0・8%含む)、エネルギー・リカバリー率37・9%、未利用の単純焼却、埋め立て等は9・2%。同協会の青井郁夫会長(=写真)は発表会で「今後100%のリサイクル率を目指す」と語った。
軽量で保温性、緩衝性、断熱性、省資源性、耐久性、リサイクル性、加工性に優れたEPSは、低温安定輸送も可能。従来から薬品や検査キット等の輸送容器として採用されてきたが、20年には新型コロナワクチンの輸送容器としても、グローバルに採用され始めているという。また食品鮮度保持機能は、賞味期限の延長や食品ロス低減が期待されている。
海洋プラスチックごみへの対応にも取り組んでいる。使用済みEPSフロートの処理について広島県廿日市市に協力。減容機を無償貸与しエネルギー回収することで劣化して飛散・海への流出を防止した。
EPSの特性やリサイクルについて広く伝えるため、同協会では児童生徒向けの映像『発泡スチロール製品の製造からリサイクルまで』を作成、今年2月公開した。YouTubeで視聴できる。
https://www.youtube.com/watch?v=nNRf5oww2vk
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年7月19日号掲載