回答者:東海林典子(元・トキワ松学園中学・高等学校司書教諭)
自校独自の「お勧め本」リスト作成は、自校の教育方針、生徒の実力、興味、環境などに合った作品を選ぶことができる点にメリットがある。リストは数十ページの冊子型から、1枚のプリントによるものまである。ここでは、手始めとして中学校の夏休み用に、全校生徒に配布することを想定したリスト作りを考えてみる。
作成人メンバーは各教科からの推薦を受けて構成するのが理想だが、今回は時間的に厳しいので、司書教諭・学校司書が中心となり、自校図書館をよく利用する教員、本好きの教員などを5~6名募って構成する。司書教諭は、県や市の図書館が発行しているリスト、他校の推薦目録、新聞の書評欄、SLAの課題図書・緑陰図書などを参考資料として本を一緒に準備し、6月までに3回位、選定会議を開き検討を重ねる。
選定本は、小説に限らず分野を広げて選定する。タイムリーな話題から選ぶことも大切で、今なら「はやぶさⅡ」「オリ・パラ」「感染症」「SDGs」「渋沢栄一」などがある。学年指定をせず、15冊ほどリストアップし、簡単な紹介文をつける。各作品の最後に『読んだ』『面白い』『つまらない』『読みたい』などの欄を設け、生徒が〇×で自己記入することで、リストを通覧することになる。
リストは紙飛行機にならないように、B4版の色用紙に両面印刷し、B6版8頁の小型版に仕立てる。表紙ページを作り、読みやすく、恰好良くレイアウトする。8頁になるように折り畳み(この作業は図書委員が担当する)完成。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年3月15日号掲載