「子どもの学びシンポジウムin横浜」が、11月7日、神奈川県横浜市のニュースパーク(日本新聞博物館)で開催された。主催はNPO法人学校図書館実践活動研究会。
新学習指導要領に基づいた学習が始まったことを受け、学校での授業改革、教科書や教材の工夫など、さまざまな角度から考える。東京学芸大学教育学部 総合教育科学系教育学講座 学校教育学分野講師の大村龍太郎氏による講演「新学習指導要領をふまえた子どもの学びと図書館 ~各教科等の授業事例をもとに~」や、日本新聞協会NIEコーディネーターの關口修司氏の講義とワークショップ「NIE活用法」が行われた。
シンポジウム「新しい学び、深い学びを構築する~様々な現場の取組~」は、3人のシンポジストを迎えて行われた。コーディネーターは同研究会理事の藤田利江氏。
東京都昭島市立富士見丘小学校校長の稲垣達也氏は、これまで東京都荒川区の「学校図書館活性化計画」をはじめ、数多くの学校図書館の施策に関わってきた。平成22年に校長に着任した東久留米市立第三小学校では、必要な書架を自ら製作するなど、学校図書館を整備していった。情報教育の実践など、同校の取組は、その後、図書館システムの導入や学校司書の配置、指導事例の共有など、市を大きく動かすことになった。「1つの学校が成果を出すことが、周りに広がっていくと実感した」と語る。
光村図書出版編集本部第一編集部国語課小学校国語編集長の野田由美子氏は、新学習指導要領に、教科書がどう応えていくのか、国語の教科書のポイントを解説。各単元の扉に、単元の目標や内容に関する誘い等を掲載するなど、児童が主体的に学習に向かえる工夫を随所に行っている。さまざまな課題が何のための学習なのか、その意味を理解しながら学習に取り組めるようにしている。他にも、「情報」4系列(①考えるときに使おう、②関係を捉えよう、③集めるときにつかおう、④調べるときに使おう)を新設した。
ドリルやワークなど、教科書に準拠した学校教材を発刊している教育同人社企画部の磯崎ひろみ氏は、学習教材の役割の1つに「自分で学習できる力を育む」ことを挙げる。同社では個別最適な学びに向けたプリントシステムが人気だ。テストの結果から間違えた問題だけを集めたプリントを作成できる。また児童用には、クラウド対応のソフト「指書きレッスンPRO」も発売した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年11月16日号掲載