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図書館

第22回図書館総合展がオンラインで初開催 ブース出展やイベントなど11月末まで

2020年11月17日

「第22回図書館総合展_ONLINE」(主催:図書館総合展運営委員会、企画・運営:(株)カルチャー・ジャパン)が開催中だ。https://2020.libraryfair.jp/

新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、今年は全コンテンツをオンラインで配信。11月1~30日の開催期間中、特設Webサイト上では「出展団体ページ」「個別イベント紹介ページ」「特集コンテンツ」の3つで構成。出展団体約90団体のウェブブースやポスターセッション、LIVE中継や講演会動画、「図書館見学会オンライン」など多彩なコンテンツが用意されている。

学校図書館に関連した出展やイベントでは、(公社)全国学校図書館協議会、(公財)図書館振興財団などの団体のほか、データベースや電子図書館、図書館システムや備品といった、学校図書館に関連した企業の出展もあり、個別相談も可能だ。開催期間中は、セミナー等が再放送で視聴可能なものも多い。

4~6日はコアタイムとして各種イベントやセミナーなどが集中して実施された。その中から、(公社)全国学校図書館協議会、(株)ポプラ社のセミナーを紹介する。


学校図書館セミナー2020「GIGAスクール構想× 学校図書館」
(公社)全国学校図書館協議会

ICT環境整備 今年度内に完了へ

これからの学びと学校図書館に期待されることを発信

これからの学びと学校図書館に期待されることを発信

今年10月に開局した「SLA情報局online」の第2弾。115日の第1部では「GIGAスクール構想の推進による学びの充実を目指して」と題し、文部科学省初等中等教育局初等中等企画課 学びの先端技術活用推進室 専門官・佐藤有正氏が講演を行った。

※ ※ ※

GIGAスクール構想(Global and Innovation Gateway for ALL)の実現」は、これからの時代に生きる上でICTがマストアイテムであることから、文部科学省が発表し、関係省庁と共に推進している。児童生徒向けの11台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれた。当初は令和5年度までの整備目標だったが、新型コロナ感染症予防対策のため、スケジュールを加速させることが今年4月に決定している。

子供の学びにICTを活用した情報を活用することは、「学校図書館ガイドライン」(平成2811月)や、「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」(平成304月)でも随所に示されている。

GIGAスクール構想は教育の情報化を推し進める。学校図書館は、あらゆる情報を提供する場所であり、情報活用能力を育む場所として期待されている。

「情報活用能力」とは、情報及び情報手段を主体的に選択し、活用していくための個人の基礎的な力であり、その育成が重要となってくる。具体例としては、情報活用の実践力として「ICTの基本的な操作、情報の収集・整理・発信」、情報の科学的な理解として、「プログラミング」、情報社会に参画する態度として「情報モラル」とされている。

日本の子供たちがICTに馴染んでいないのかというと、そうではなく、OECDの「学校外での平日のデジタル機器の利用状況」についての調査では、日本の子供たちはネット上でチャットをしたり、ゲームをする、インターネットでニュースを読む、といったことは行っている。しかし学習におけるICTの活用は少ない。これまで、子供たちのICT活用への関心が高い一方で、学校のICT環境整備が十分に進んでおらず、子供たちの関心に十分に応えられていなかった可能性が高い。

GIGAスクール構想では、全ての子供たちに届いて欲しい、ということで「for ALL」としている。11台端末を持てるようにすること、また家庭にWiFi環境がない場合はモバイルルータを整備するための支援を行っていく。今年8月末の調査では、全国のほぼ全ての自治体が、今年中または今年度中を端末の納品完了時期としている。教室だけでなく、体育館、学校図書館などの整備も合わせて進めていくものなので、学校図書館の機能もより充実させて欲しい。

学びの変容を未来に向けてイメージ

116日は「GIGAスクール構想の実現と学校図書館」と題し、元 金沢星稜大学教授・佐藤幸江氏が講演を行った。

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これまでの学習指導要領では、「言語活用能力」が学習の基盤とされていた。新学習指導要領では、新たに「情報活用能力」「問題発見・解決能力」が加えられた。

情報活用能力の育成を図るため、ICT環境整備や、各種の統計資料や新聞、視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ることも求められている。

また学校図書館を計画的に利用し、授業改善に活かすことなども示されている。

具体的な例として、横浜市の取組が挙げられる。『横浜市 学校図書館利活用の手引き』を作成した。学習センター、情報センター、読書センターとしての学校図書館について、学校図書館と情報教育を合わせたものとして「情報活用一覧表」を示し、日常的な情報活用と、活用場面のある探究的な学びを絡めながら、学習を深めていけるのが特徴だ。

11台端末・高速通信環境」を活かした学びの変容をイメージすれば「ICT VS 非ICTではない」とわかる。学校司書とICT支援員が学校図書館内で子供たちの学びをサポートする、といった人のいる学校図書館の実現や、学校図書館に自分のタブレットPCを持っていき、図書資料やインターネットなどから多くの情報を得る、さらにタブレットPCを発表ツールとして活用する。思考を可視化して、他者との考えの交流も可能になるだろう。

未来を生きる子供たちに必要な資質・能力を持てるよう、これからの学校、授業の在り方を皆で考える必要がある。

幼保調査の経過報告ほか7つのプログラムを実施
ポプラ社

コロナ禍で変化した未就学児の読書

ポプラ社はオンラインイベント「図書館マルシェ」人気鼎談の続編を含む「図書館総合展ポプラ社フォーラム」として7つのプログラムを実施。(特設サイト=https://www.poplar.co.jp/pr/2020libraryfair/

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116日に開催された「ポプラ社×東京大学Cedep 『子供と絵本・本に関する研究』~全国初の幼保調査より~」。同社と東京大学大学院教育学研究科附属 発達保育実践政策学センター(東京大学Cedep)は、子供の育ちに対する“本”の価値を科学的なアプローチで明らかにする「子どもと絵本・本に関する研究」プロジェクトを20198月から行っている。

今回「子どもの読書環境と公立図書館の役割に関する調査」を、全国の公立図書館(約3300施設)を対象に実施中だ。集計途中ではあるが、公立図書館では、イベント中止や開催における制限や制約、イベント中止に伴う利用者減がみられるという。「イベントが予約制になり人数も制限するようになった。当日に来ていた子供に案内できず、いつも同じ子供がいる状況になった」といった声があった。

また緊急事態宣言発令期間中の家庭の状況についても、乳幼児の保護者を対象に430日~512日、Webアンケートにて調査を実施。各家庭の「最年少のお子さん(未就学児)」について設問を設け、2679の有効回答が得られた。

紙や電子の本や絵本を用いた読書が「かなり増えた」「やや増えた」と回答したのは全体の345%。読み聞かせも同様に329%の家庭で増えている。緊急事態宣言下で読書時間や読み聞かせが増えた家庭は多い。

一方で、新型コロナウイルス感染症の流行以前と比べ、新しく手にした絵本・本の数の変化について尋ねたところ、「かなり減った」「やや減った」の合計が128%、「大体同じ・変わらない」が586%、「やや増えた」「かなり増えた」合計が265%、「わからない」が22%。

「増えた」理由としては、在宅時間が増え、室内で外遊び以外の活動を行うため、また図書館で借りることができなかったために購入する本を増やした、という回答が多かった。「減った」理由としては、図書館が利用できなくなったり、外出の自粛や書店やショッピングモール等の休業によって、本を買いに行けなくなったことなどが挙げられていた。

子供の手にする本・絵本の冊数の変化(右) 紙や電子の本・絵本を用いた読書の変化(左)


【お詫びと訂正】

本紙11月16日号8面掲載の図書館総合展に関する記事の見出しに誤りがありました。

読者の皆様、関係各位には大変ご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げるとともに、次の通り訂正いたします。

誤:(公社)学校図書館協議会

正:(公社)全国学校図書館協議会

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年11月16日号掲載

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