発泡スチロール協会(JEPSA、青井郁夫会長)は6月24日に記者発表会を開催。2019年度の発泡スチロール(EPS)業界の分野別需要動向とリサイクルの状況などについて、活動報告を行った。水産分野をはじめ幅広く活用されているEPSは、建材・土木分野での活用が近年増えている。
2019年度の使用済みEPSの有効利用率は89・5%。内訳は、マテリアルリサイクルが51・4%、サーマルリサイクルが38・1%となっている。
EPSの出荷実績は対前年98・4%の12万8150トン。水産・農業分野の容器が全体の53・0%、緩衝材などが29・7%、建材・土木が17・3%を占める。水産では、漁獲量の減少の影響で、EPSの利用も減少傾向。一方で、断熱性に優れ、軽量性もあることから、建材・土木分野が伸びたほか、また緩衝材としても需要が伸びている。建材・土木分野は長期使用されることから、環境に配慮した用途としても注目される。
発泡スチロール協会の2020年度の基本方針として、「発泡スチロール(EPS)の優れた特性で地球環境を守ります」をビジョンに掲げる。EPSの特性として、断熱性、緩衝性、軽量性、省資源性、耐久性、リサイクル性、加工性などが挙げられる。高いリサイクル率を維持し、資源としての有効利用率の向上を目指す。
EPSへの理解を深めてもらうため、今年度も11月に開催される「エコプロ2020」に出展する予定だ。また環境学習支援活動として例年、各地域で体験学習や環境学習の小・中・高等学校のグループ学習を受け入れており、今年度は秋以降、各校からの予約が入っている。
中学校理科教授用の資料『調べてみようプラスチック』も作成。原油からできる各種プラスチックの特性やリサイクル、実験などを解説している。
※発泡スチロールは①EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)、②PSP(発泡スチレンシート)、③XPS(押出発泡ポリスチレン)の3種類があり、発泡スチロール協会は①に関する団体。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年7月20日号掲載