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持続可能な農業経営を学ぶ<福島県立修明高等学校>

2020年7月22日

農業経営カードゲーム「農トレ」

「農トレ」でSDGsが目指す持続可能な経営が学べる

「農トレ」でSDGsが目指す持続可能な経営が学べる

農業経営カードゲーム「農トレ」を活用した出張授業が6月23日に福島県立修明高等学校で行われた。農トレは、アクセンチュア㈱が企画・開発し、福島県で若者の人材育成を手がける(一社)Bridge for Fukushimaが販売しているゲーム。同団体は2015年4月から農業高等学校向けにグローバル人材育成プログラムを実施。生徒に対し経営・マーケティングを中心としたビジネスに関する授業を1年間行っている。

生徒が模擬会社を作り、社長・販売部長・財務部長などの役割を担い、商品の企画、事業計画・販売戦略の立案、販売実践を行った後、販売結果の決算・振り返り、結果の最終発表までの一連のビジネスプロセスを体験しながら学ぶ。

「経理部長」は電卓を使って利益を算出し、「法務本部長」はルール確認を行う。ルール違反は収穫量が0になるため、ゲーム中も入念な確認が行われる

「農トレ」では、チームの中で社長や経理部長などの役職を振り分け、土地と作物、従業員や農業資材、販売先などを選んで農業経営をシミュレーションする。作物には特性があるため、高付加価値・少量で利益拡大を狙うか、収穫量の多い堅実路線を狙うかで経営戦略が分かれる。販売先も買い取り条件が異なるため、利益を最大化できそうなものを選ぶ必要がある。1年ごとの収穫量と売り上げの見込みも生徒自身で算出する。ゲームでは1年を1ターンとして、全部で3年分の農業経営を行っていく。

イベントカードによって「豊作」や「凶作」、「ライバル会社出現」などの出来事が発生すると、事前に計算していた農作物の収穫量や利益に影響が出る仕組みとなっている。

ゲームに参加した生徒からは、「1年目はうまくいったが、2年目はうまくいかず、失敗も学んだ」「みんなで意見を出し合えば、土地条件が悪くても黒字になると分かった」などの声があがった。遊びながら農業経営を学べるだけでなく、教員にも正解が分からないことから、生徒らに助言する際は生徒たちと共に考える姿勢になることも特長だ。

同県内では、2020年度は福島明成高等学校、相馬農業高等学校、岩瀬農業高等学校、修明高等学校、会津農林高等学校の県立学校5校、宮城県内では宮城県小牛田農林高等学校に対して同プログラムを提供中だ。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年7月20日号掲載

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