回答者:前田由紀(渋谷教育学園渋谷中学高等学校 司書教諭)
高校生同士での本の紹介では、最近人気のあるビブリオバトル(立命館大学の谷口忠大教授が考案した書評合戦)があります。少人数グループで、おすすめの本を各人が持ち寄り、それぞれ5分間本の紹介をした後、2、3分間の質疑応答を行い、最後に参加者で「一番読みたくなった本」に投票してチャンプ本を決めるゲームです。新しい本との出会いになると同時に、参加者をより良く知るきっかけにもなり好評です。
まずは司書教諭、学校司書、興味のある教職員でビブリオバトルを試してみてください。それから学校図書館を使った授業(教科との連携)で、見本として自らやって見せ、生徒たちに体験してもらいます。ここで注意することは、原稿なしでライブ感を大事にすること。友人に話すように気楽に親しみを込めて語りかけてください。連動して学校図書館で、チャンプ本や紹介された本の展示を行います。一度生徒たちが経験できれば、図書委員会が企画しての校内ビブリオバトル、他校とのビブリオバトル交流会、大会への出場と発展し、高校生同士の本の紹介が広がっていきます。最近は英語でも行われています。
他にも、生徒たちによる本の帯やPOP、ポスター作成などがあります。図書委員たちからアイデアを募集するのも良いでしょう。本校では生徒たちによる展示コーナーを作りたい、という声があり、実際に生徒たちがテーマを決めて本と手作りのPOPを展示しました。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年11月18日号掲載