回答者:守屋明美(大和市教育委員会 学校図書館SLS)
学校図書館は校内で独立した部署ではありません。本の貸し出しや返却、棚の整理が主な業務と思っている先生方も残念ながらまだいるようですが、「学校の教育課程の展開に寄与する」という特性を持つ学校図書館は、そういった先生を含めてすべての教職員と連携を深めなければ進んでいけません。
学習と深くかかわる学校図書館は、いかに授業で使ってもらえるかがカギになります。環境を整えておくことは当然ですが、どれだけ学習に対応できるかを先生方に周知することが重要です。図書館に行ったものの、資料が少ないでは授業の計画は狂います。ですから先生向けの館内資料の情報提供は重要なのです。
年間指導計画から、その単元に入る前に、資料の情報を学年職員に流すことで、学校図書館と学習を指導する先生方が「一緒に授業を組み立てる」という構図ができます。情報提供はブックリストの形でもよいでしょう。資料が不足している場合は公共図書館を利用したり、パスファインダーの形でテーマや本以外の資料の紹介を広げていくという方法もあります。
学校図書館が積極的に授業を支えるため動くことで「頼られる学校図書館」となれば、先生方のほうから困りごとや相談事が持ち込まれ、「なくてはならない学校図書館」になるはずです。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年8月19日号掲載