回答者:佐藤敬子(公社・全国SLA学校図書館スーパーバイザー)
「主体的に」と言っても、すべて生徒に任せるのがよいわけではありません。まず、委員たちが自分たちで活動しやすいような組織を作るとよいでしょう。曜日ごとの当番活動の他に、係としての仕事〈例 委員会広報作成係、整備係(NDC順に資料を並べ利用しやすくする)、放送番組作成係、装飾PR係、図書紹介ポスター制作係等〉に所属させます。生徒たちの発案を大切にしながら、学校図書館行事等とも絡めてそれぞれの係の活動を考えさせ、実行させますが、その際、生徒たちが「自分たちで作り上げた」という達成感を持てるように適切にアドバイスし、支援してやることが重要です。そのためには、「活動のなかで子供たちを育てる」という観点で指導していくとよいと思います。図書委員会の一番の仕事は、いかに利用者である一般生徒と図書館資料(図書等)をつなげるかです。そのためにどういう活動を作り、利用者を増やすかを考えさせるとよいでしょう。
また委員たちが自信を持って活動するためには、彼らが自分たちの仕事に通じていることが大切です。NDCの仕組みや資料の並び方、図書委員としての活動の作り方など、専門的なことを学ばせるのはよいことです。その際、『今日から図書委員』(全国学校図書館協議会/編・発行)等の図書委員向けの仕事内容解説本は大変役立ちます。
生徒たちが自信をもって創造的な活動ができるように支援することが、私たち周りの大人の大切な役割なのです。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年4月22日号掲載