第12回高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」の受賞校・団体が決定、10月29日、都内で贈呈式が行われた。
「朝の読書大賞」は、ひたちなか市立那珂湊第一小学校(茨城県ひたちなか市)、玖珠町立玖珠中学校(大分県玖珠郡玖珠町)、京都府立久美浜高等学校(京都府京丹後市)。「文字・活字文化推進大賞」は「絵本の町有田川」(和歌山県有田郡有田川町)が受賞した。
■「朝の読書」は、毎朝始業前の10分間、生徒と教師が一緒に全校一斉で、自分の選んだ本を各クラスで読む実践。「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本でよい」「ただ読むだけ」の4原則がある。昭和63年に千葉県の高校の二人の教諭が提唱し、現在、全国の小~高校の約2万7000校で実施されている。第12回「朝の読書大賞」3校の受賞事由は次の通り。
【ひたちなか市立那珂湊第一小学校(茨城県ひたちなか市)】…平成14年から朝の読書を行っている。図書委員会を中心に学校図書館の活性化に取り組む。児童が「行ってみたくなる学校図書館」にするため、新入荷本の校内放送での紹介、秋の「読書月間」での様々なイベント、読書はがきに紹介したい本と人を記入し、図書委員が郵便屋さんになって届ける「読書郵便」など。学年ごとに読書冊数の目標を決め、賞状などを贈っている。
【玖珠町立玖珠中学校(大分県玖珠郡玖珠町)】…平成12年から朝の読書を一部スタートし、22年から全学年で行っている。教職員・生徒会・PTAが連携し、読書活動を強力に推進している点が評価された。教職員は年度始めに年間方針を定め、朝の読書の意義を意思統一し、希望図書の調査や環境整備を行っている。また学校図書館活用授業も活発に行っており、朝の読書の時間も調べ学習に関連した本を手に取る生徒も多いという。
【京都府立久美浜高等学校(京都府京丹後市)】…平成22年から「アサトレ」として毎朝10分間の読書活動を実践。学区が広く公共交通機関の制約がある中、HRの枠として時間を捻出している。学校図書館活動も活発で、本と関連したワークショップなどのほか、毎年大規模な企画展も実施。生徒一人あたりの年間貸出冊数は京都府立高校の中でもトップクラス。
なお「優秀校」として、最終選考対象校の5校が受賞した。▽有田市立糸我小学校(和歌山県有田市)▽南越前町立南条小学校(福井県南条郡南越前町)▽学校法人明照学園 樹徳高等学校・樹徳中学校(群馬県桐生市)▽福井県立足羽高等学校(福井県福井市)▽名古屋市立山田高等学校(愛知県名古屋市)。
■「文字・活字文化推進大賞」を受賞した、絵本のまち有田川(和歌山県有田郡有田川町)は、「絵本による町づくり」に取り組んでいる。地域交流センターや駅などに4つの個性豊かな図書館を整備。「有田川町絵本コンクール」を中心にさまざまなイベントを実施。学校図書館支援センターを設立したほか、「有田川町絵本まちづくりグランドデザイン」を策定し、絵本原画展の実施や、絵本のロゴマークの展開、絵本の可能性に賭け、「住んでいることを誇れる笑顔あふれる絵本のまちの実現」を目指して発展的に活動している。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年11月19日号掲載