回答者:竹村和子(公社・全国学校図書館協議会常務理事)
「教職員図書館」は、まだあまり普及していません。学校図書館の運営だけでも大変なのに、さらにもう一つの図書館を設置する余裕はないと思われていたからだと推測します。しかし、図書館準備室や学校図書館の一角に「教材研究資料」というコーナーを設けたり、空き教室などを「教職員図書館」にすることができます。海外では、教職員が教材研究や資料の準備をする部屋が、学校図書館に設置されているところもあります。無理のない範囲で、できるところから始めてみませんか。片付けられたままの資料が生き返るだけでなく、学校図書館の資料も増え、質の高い教材研究や資料作成が効率的に行えるようになります。
教職員図書館に揃えておきたい資料としては、①教材研究や自己研鑽のために購入した各教科や学年の雑誌や研究団体の機関誌類、②以前使用していた教科書や付随しているCDなどの資料、③研究会や研修会に参加した時の要項や資料、④研究授業などの際の指導案、⑤学校行事を企画実施する時に作成した資料、などがあります。
年度末に処分される前に教職員図書館に集約し、教科や学年別に分類整理し、件名をつけて情報ファイルとして配架します。校内での研究で購入した書籍類は、NDCで配架します。メモ用紙や筆記用具などの文具類も揃えておくと便利です。ミーティングのできるテーブルがあれば、「教職員図書館」で教科部会や学年会で教材研究もできます。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年10月15日号掲載