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テーマは「うそ どう解く?」“道徳”で“考え” “議論する”

2018年8月20日

今年4月から小学校で「特別の教科 道徳」が始まった。ポプラ社が今年3月に刊行した『答えのない道徳の問題 どう解く?』は、主に親子向けの書籍としてまとめられたが、全国の小学校からも反響がある。7月17日には、埼玉県戸田市立戸田第一小学校(星野正義校長)で同書を活用した授業が行われた。

「自分の考えを伝える」国語の授業の発展として

自分の考えを言葉で伝える

自分の考えを言葉で伝える

戸田第一小学校の4年生の道徳の授業の主題は「うそ どう解く?」。書籍『答えのない道徳の問題 どう解く?』(以下『どう解く?』=写真下)の一節を用いて行われた。

国語科の単元「自分の考えを伝えるには~意見文を書く~」での学びを発展させ、本時の道徳の授業で話すこと(議論)につなげる。

授業のはじめに、担任の榮亜耶教諭が児童に「うそはついていいのかな?」と尋ねると、「いい!」「悪い!」と声が上がる。そこで『どう解く?』の「友だちからすきじゃないプレゼントをもらった。『うれしい』とうそをついたら、友だちは喜んでいた」を朗読。

児童は裏表に「うそをついていい」「だめ」と書かれたカードを机の上に出して自分の立場を表し、自分の考えをワークシートに記入。

嘘をついても「いい派」と「いけない派」との意見を聞いた後、ディスプレイに「ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘ってどう違うんだろう?」と表示、グループ討議を交えて考えを深め、自分の考えを再びワークシートに記入。最後に大人の意見の一つとして『どう解く?』の谷川俊太郎氏の文章を紹介した。

授業後、児童からは「最初はうそはいいと思ったけど、皆の意見を聞いたら人が傷ついたりするからダメだと思った」「いつもの道徳の授業より難しかったけれど、いつもよりも今日は色々考えた」といった声があった。

産官学民の連携推進 書籍のデータなど提供

うそ どう解く?

山﨑博司/文
木村洋、二澤平治二/絵
+小学生のみんな
本体1500円+税

戸田市教育委員会では「産官学民の連携推進」と「考え、議論する道徳」の推進を市の教育改革方針の中で挙げている。今回の授業は、戸田市教育委員会21世紀型スキル育成アドバイザーを務める、フューチャーインスティテュートの為田裕行氏も協力。ポプラ社では『どう解く?』を教材用にデータ提供するほか、紙面を教材用に加工してワークシートなどを制作し、特設サイト(www.poplar.co.jp/pr/doutoku/)で公開した。

授業を視察した戸田市教育委員会教育政策室教育センター担当主幹兼指導主事の筒井陽子氏は「道徳の授業は従来、どうすれば自分のこととして捉えることができるかが課題だった。今回の授業では、児童が授業の導入から自分ごととして考えていた。さらに“自分の昨日の出来事”など自分に近づけて考えられるようにしたい」と話す。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年8月20日号掲載

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