回答者:磯部延之(東京都稲城市教育センター 研究主事)
学校図書館へ行かない教職員が、いくら子供たちに学校図書館の活用を呼びかけても、子供たちは行動を起こしません。まず全教職員に学校図書館へ目を向けてもらうこと。足を運んでもらうこと。そして利用して「役に立つ」と思ってもらうことが大切です。実際に効果のあった取組を紹介します。
まず、学校図書館長でもある校長の理解が大切です。読書が学びの基礎を広げ、資料活用が考える力を育てることを教職員へ指導していただきましょう。作家の誕生日には、事前に業績やエピソードを知らせておいて、全校の児童生徒へ話題提供をしてもらいます。校長が率先して行動することで全教職員も動き出します。
好きな本の紹介は全教職員がカードに書いて掲示します。校内放送を利用してもよいでしょう。教室での読み聞かせやイベントでの紙芝居は、初めのうちは教職員も遠慮しがちですが、やってみれば笑顔が生まれます。休み時間に学校図書館を会場に「折り紙教室」や「季節の飾り作り」をすれば、大人も子供も集まってきます。
長期休業中は1時間でもいいので毎日開館をし、各教職員に交代でカウンター担当をしてもらいましょう。また、職員作業として全員で図書館の整備をすれば、「こんな本があったのか」「もっとこんな資料がほしい」と言う声が出てきます。
どの取組でも「楽しさ」と「発見」と「笑顔」を大切にしてください。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年8月20日号掲載