回答者:小日向輝代(越谷市立東中学校司書教諭)
「本を読むのが当たり前の雰囲気作り」が重要と考え、本校では①「朝の読書」の時間確保、②学級文庫の設置、③図書委員会活動、④保護者との連携、等を行っています。
①「朝の読書」は4月の職員会議で提案、全教職員の理解の中で行います。3月のうちに準備した資料と共に、年間の学校図書館運営計画などを提案し、朝の読書も含めます。朝の読書では、教師が本の紹介や読み聞かせを行うこともあります。
②学級文庫では、本校図書館から15冊程度各学級に貸し出し、担任によっては個人の図書も置いています。本が多いと刺激になり、そこから本を選ぶ生徒もいます。
③図書委員会の活動は、図書だよりの発行・自校生徒への読み聞かせ・本の紹介・ポスターの掲示・季節の企画など。読書週間の企画「読書マラソン」では、ページ数で、あるいは普段読まないジャンルの本に高いポイントを付け、ポイントを競うことで読むように促します。また玄関付近、視聴覚室付近には読書の木を作成し、生徒が読んだ本の紹介カードを掲示しています。
④保護者ボランティアの活動は、図書館内外の掲示物の作成・お薦め本コーナーの展示・支援学級での読み聞かせなど。司書教諭としては保護者会資料にお薦め図書の紹介を入れています。
これから読書推進に力を入れる場合、教職員の理解を深めるのは大事です。一方で、教職員の心を一気に動かすのは簡単ではありません。同時進行で生徒の活動を活発にすることがポイントです。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2017年3月20日号掲載