回答者:石田知己(広島市立彩が丘小学校 校長)
彩が丘小学校では、図書館教育を学校経営の柱にして、3つの実践を行っています。1つ目は図書資料を活用した情報活動と読書活動の授業研究、2つ目は子供たちの読書活動の推進、3つ目は前述の2つを支える図書館の環境整備です。
4月1日からスタートできるように、年間計画は前年度の終わりに立てます。管理職は全職員にビジョンを示し、年間を通じて進行状況を確認することも大切です。
本校では、図書を活用した授業実践は、国語のみならず総合的な学習の時間、社会、理科、生活科、図工科など多教科で実践しています。教科書の中には、情報活用できる単元や並行読書で多読することのできる単元がたくさんあります。指導可能なすべての単元で図書を活用することは不可能ですが、その学年で1回でも2回でもよいので、学年や司書教諭、または学校司書と協力して、図書館の「学習・情報センター」機能や「読書センター」機能を活用した授業を行うと良いでしょう。子供たちの読書量や学力の伸びを実感することで、教員も図書館教育の良さを実感し、継続する意欲につながります。
図書資料の購入も一括ではなく、授業の際に必要な本を必要な時に購入していくと、学習で使える図書資料がそろうようになります。一度にそろえることは難しいので、本校では公立図書館とも連携して学習に必要な本を用意しています。まずはどこかの単元で、一度トライしましょう。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2016年10月17日号掲載