回答者:佐久間朋子(奈良教育大学附属中学校 学校司書)
調べ学習を行う時は必ず「授業者」がいます。学習の「目標」を授業者と学校司書が話し合い、単元全体の見通しを考えます。「何を」「どのような順序で」「何を使って」すすめるのかで、生徒の図書館を活用する意識がはっきりします。
本校では授業者が参考資料の別置を希望した場合、あらかじめ授業者と学校司書とで必要な資料を考え、学習する学年の図書部員(生徒)と学校司書が書架を見ながら必要な資料を抜き出し、図書部員が単元名を入れた案内札等を作成して別置コーナーを作ります。図書部員がパイプ役となって「こんな資料がもっとほしい」など、生徒の要求がだしやすくなります。過去の生徒たちの作品に記載されている参考文献は購入や相互貸借でそろえておきます。
司書教諭と学校司書による通常の図書の購入に加え、図書部では年2回の「選書活動」を行っています。図書部員と教員、有志の保護者と一緒に書店に行き、必要な図書などを全校生からのリクエスト等を参考にしながら選書し購入するのです。実際に使用する生徒の意見を尊重すると、生徒たちは学校図書館を自分たちの図書館として感じてくれます。
調べ学習は事前の授業者と学校司書との話し合いがとても重要です。調べようと試みたが、資料不足で変更される、ということがないよう、生徒の学習機会を保障するために利用者の声を取り入れて、蔵書構成を常に見直していくことが大事です。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2015年6月15日号掲載