㈻新渡戸文化学園/編著
明治図書
四六判 208頁
2530円
探究学習を軸に「学び」を進める新渡戸文化学園。その実践と、変革のための発想のヒントを紹介する。
学園の中学・高校の水曜日は、丸1日が「探究」。教員は生徒の状況確認や声掛けを行い、本人が「目的を自覚的に気づく」ようにサポートする。役割が「教える」から適時適切なフィードバックをすることと勇気づけに変わった。
生徒の「学び」を学校に閉じ込めないのも特徴だ。4人組の高校生がある新聞記事に興味を持った。資料の分析を行い、支援団体や新聞記者への訪問、啓発イベントの参加に至った。生徒たちは、情報への向き合い方が変容し、自分の意見を持つようになる。
教育界で注目を集める「探究」の実践が明らかにされ、成長する生徒や悩む教員の姿なども読み取れる。
いかに「起点」を生徒自身の内面から生み出すか。新渡戸稲造初代校長の「教育とは新しい知識を教えることでなく、新しい知識を得たいという気持ちを起こさせることである」という言葉が実現した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年3月17日号掲載