回答者:村山正子(相模原市立鵜野森中学校司書教諭)
総合的な学習の時間を中心として盛んに行われてきた「調べ学習」ですが、今では各教科の学習においても、児童・生徒が意欲的な学習を進めていくために無くてはならない活動となっています。
その際、情報を収集する主たる手段として用いられるのが、図書館の本を中心とした資料と、インターネット上に公開されている情報ということになります。この2つにはどちらにも長所と短所があり、当然使い分けをしていくことになります。
ただ、学校における調べ学習の過程では、「情報活用能力の育成を図る」という視点を持つことが欠かせないのではないかと考えています。便利だから、都合がよいからということだけではなく、まずは図書館での本の探し方から始め、インターネットの利用の仕方、さらには著作権に関する知識を含めた情報モラルについてといった段階を意識しながら、体系的に経験させていくことが大切になるでしょう。
本とインターネットの違いについては、調べ学習に直接かかわる部分でいうと、本は情報の発信者がほとんどの場合しっかりしており、その情報が信頼できるということが大きいと思います。このことを子どもたちに気づかせ、安易にインターネットでの検索に頼りすぎない指導が、調べ学習の際には必要なのではないかと思います。
【訂正とお詫び】12月2日号の本連載の執筆者村山正子先生の学校名に誤りがありました。正しくは相模原市立鵜野森中学校です。訂正してお詫びいたします。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2013年12月2日号掲載