回答者:小川三和子(埼玉大学・聖学院大学非常勤講師)
まず、先生方が授業で使うことです。利用の促進を図るのは、管理職と司書教諭の重要な仕事です。
環境整備では、資料を見つけやすい、使いやすい学校図書館作りが必要です。最近は、電算管理により検索ができるようになってきましたが、目録が不十分なら単元毎のリストが役立つでしょう。所在記号の順に本がきちんと並び、書架案内や棚見出しで、検索した本の所在がすぐに分かることが必要です。
次に、学校図書館資料は、本だけではありません。パンフレットやリーフレットなどのファイル資料、新聞や雑誌、実物や模型、児童生徒の作品、視聴覚資料、インターネットが利用できるコンピュータなど、児童生徒がさまざまなメディアを利用して学習できる環境をめざし、公共図書館の団体貸出も利用しましょう。
課題解決学習の過程やテーマの見つけ方、記録の取り方などの掲示物があると、学習の流れやポイントが分かりやすいでしょう。情報記録カードや課題解決の手だてなどのワークシートを用意したり、パスファインダー(情報検索を進める上でのプロセスを示すもの)を作成したり、司書教諭や学校司書がそれぞれの立場で学習の支援をする体制づくりをしたいものです。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2013年5月20日号掲載