回答者:福田孝子(埼玉県三郷市教育委員会 読書活動支援員)
「感動した」「この本をだれかに伝えたい」と思った時にこそ感想文を書くエネルギーがわいてきます。感動した本もない、伝えたいこともない、書き方も分からない、それなのに書かなければいけないと思うことが感想文嫌いになっているようです。読書感想文、それ自体が本嫌いをつくりだしているわけではありません。読書感想文を好きになるためには、まず、何かを伝えたくなるような感動する本との出会いをつくりだすことです。時には周りの大人(先生や司書、保護者など)の選書サポートも必要です。
感想文を書くということは、1冊の本と真剣に向き合い、本と対話しながら自分を見つめていくということです。繰り返し読む、考えながら読む、本を読んで成長できたという読み方が大切になってきます。
どう考えたのか、なぜそう考えたのか、そんなことを分かりやすく文章に表現する方法や構成の仕方をきちんと教えていくことも重要です。
そこでぜひ、すぐれた感想文を子どもたちに紹介してみてください。優れた感想文には、書いた人の強い感動が読む私たちにしっかり伝わってきます。
そんな感想文を読むと、そこに書かれた本をぜひ読んでみたいという気持ち、自分も感動できる本に出会って書きたくなる気持ちになってくることでしょう。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2012年6月18日号掲載