回答者:西村るり(全国SLA学校図書館スーパーバイザー)
児童生徒の読書の幅を広げたいというのは、大人の共通の願いです。自分が読みたいと思う本を手に取り、好きな本を読むのは自然なことです。しかし、そのままにしていては、子供たちの読む本の幅は広がらないことになります。
そこで、さまざまな工夫が必要になってきます。まず、先生方からの働きかけとして、授業に関連した本を紹介してみてはどうでしょうか。国語に限らず、いろいろな教科で本を紹介していくのです。たとえば、体育の時間にスポーツ選手の伝記やオリンピックの感動秘話といった具合に。先生方のお薦めの本をリストにして、その本を読むスタンプラリーをするのも面白いですね。
子供たちがお互いに本を紹介し合うのも効果的です。図書委員が昼の校内放送で自分のお薦めの本をブックトークすると、その本の貸し出しが増えたりします。国語や総合的な学習の時間などをつかって、ビブリオバトルをすると子供たちは喜びます。ビブリオバトルというと難しそうですが、子供たちが好きな本の紹介をし合い、どの本を一番読みたくなったかを尋ねればよいのです。「そんな本知らなかった、今度読んでみたい」と興味を示します。
肝心なのは、図書館の先生はもちろん、全ての方が子供たちの読書の幅を広げようと心を配り、あらゆる場面で本を紹介できないかと工夫していくことです。そんな学校に学ぶ子供たちは幸せですね。