5月末まで小中学校・高等学校の休校を決めている奈良市教育委員会では、WiFiルーターを約1600台確保。家庭でインターネット接続環境にない中学生を対象にPCとWiFiルーターを貸し出す。PCは、休校中に使用しない学校のコンピュータ室のPCの設定を変更して家庭でも使えるようにした。
これにより「G Suite for Education」(以下、G Suite)を活用した課題配布・回収・学習指導等やオンラインHRが可能になる。
奈良市では事前に保護者アンケートで、家庭学習のICT環境について調査しており、タブレットPCやWiFiルーター等の不足数を把握。4月末より、調査の回答を得た家庭から順次貸与し、5月1日から運用する。
小学校については、中学校の整備後に順次実施する。
GIGAスクール構想の整備を前倒し
Googleアカウント約2万5500人分を発行
G Suiteの導入は当初の予定を約半年間前倒しで実施。
奈良県教育委員会と共に県域でGIGAスクール構想の共同調達を推進しており、県教委の全面的な協力のもと、県域利用の新たな教育ドメインを発行し、4月上旬に市町村別に分類。職員、学校管理職、教員及び児童生徒のIDを発行し、奈良市でGoogleアカウントを約2万5500人分発行した。
県内で奈良市が先んじて前倒しが可能になったのは、2018年から実施している文部科学省・統合型校務支援システム実証事業に奈良市が参加していたことで、データが整っていたためだ。
奈良市では喫緊で必要と思われるオンラインコミュニケーツールGooglemeetやアンケート作成・回収ツールGoogleform、GoogleClassroom等を使えるように設定。双方向のコミュニケーション環境を整備すると共にオフラインも組み合わせた学習を展開していく。